虹の橋


シロが居なくなってから、数年分の涙を使い果たしたというくらい、泣いた。

でも一方で、いつまでも泣き続けている自分がイヤだった。

こんなんじゃ、シロがちゃんと天国へ行けないかもしれないとも思った。

親にも、「貴方のそんな姿を見たら、シロが心配するよ」と言われた。

シロに心配させるなんて、情けない。

本当は、僕は大丈夫だよって言いたい。

そうして、お世話になった獣医さんに勧められた本を買ってみた。



「虹の橋」という絵本。

作者不詳の散文詩で、愛するペットを失った人の間で世界中に広がった詩。

詩は、亡くなったペットの魂が、虹の橋のたもとにある楽園に行き、

そこで飼い主を待っていると詠っている。

そして、飼い主が世を去った日、虹の橋でペットと人々は再会し、

虹の橋を共にわたって、天国へと行くと信じられている。


ちなみに、虹の橋は、「虹の橋」「虹の橋(の袂)で」「雨降り地区」の3部作。

絵本は、「虹の橋」のことを描いている。

「虹の橋(の袂)で」「雨降り地区」については、絵本などはなく、ネット上で詩だけが伝わっている。



最初に「虹の橋」を読んだときは、あまりしっくりこなかった。

生前シロは病気で辛い思いをしたのに、

天国の手前の虹の橋で長年また待たせるなんて可哀想だ、

虹の橋なんて人間のエゴだと感じた。

でも、何度も読むうちに、何となく絵本に愛着がわいてきた。

またいつか、シロに会える。

きっと見つけて会いに行く。

そう思うだけで、少し気持ちが穏やかになった。

今はまだ、泣くことが多いけど、でも、そのうち元気になるから、今はまだ泣くのを許してね。

虹の橋で、また会おうね。みんなで。



*****


「虹の橋」   (原作者不明、 引用:Wikipedia) 


天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。

この地上にいる誰かと愛しあっていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。

そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。

食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、
みんな暖かくて幸せなのです。

病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、

傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、
元のからだを取り戻すのです。

まるで過ぎた日の夢のように。


みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。

それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが
ここにいない寂しさのこと。

動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。

でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。

その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。

突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。

速く、それは速く、飛ぶように。

あなたを見つけたのです。

あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。

そしてもう二度と離れたりはしないのです。


幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、

あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。

そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。

あなたの人生から長い間失われていたけれど、

その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。

それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。







虹の橋―Rainbow Bridge
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