GID周縁群 性別違和症候群


最近、ようやくGID周縁群やその周りの性別違和症候群に目が向けられ始めたように思う。

当事者を対象とした研究では、相変わらずGID中核群に焦点をあてたものが多いけど、
それでもゆっくりと、性の多様な在り方を認知させるような研究も出てきた。

その1つが、性別違和感をもつ人に対するステレオタイプ・イメージについて。

社会一般では、性別違和感をもつ人に対するイメージの多くは、マス・メディアなどに
よって影響を受けた偏った像であることが多い。
つまり、あたかも性別違和感を持つ人全てが医療的治療を希望するものだという認識を
うえつけられている。

性同一性障害とは性転換手術や戸籍性別の訂正が行われた者のことであり、それらの要素が欠けると性同一性障害ではなくなる…という、新聞メディアにおける性同一性障害像の
規範化を指摘した研究もある。

性を変えたいと希望する人だけが性同一性障害だとみなされるようになってしまった…というのが問題なわけだ。

この偏ったイメージ(性別違和感=性転換手術や戸籍性別の訂正)が定着してしまうと、
女・男以外の性自認を持つ人や医療的治療を希望しない人などにとっては、
社会が性別違和感をもつ人のステレオタイプなイメージをその人に求めた場合、
不適当な社会生活を送らなければならなくなるかもしれない…。

そう考えると、やっぱり性別違和感をもつ人に対するステレオタイプ・イメージは
厄介なもので、GID周縁群やその周りの性別違和症候群が社会的に認知されるようになることで多少は低減されるかもしれない。

当事者に対する支援ももちろん大事だけど、性別違和感をもつ人への理解や多様性の認知
を求めるなら、社会にアプローチしていくこともやはり大事だと思う。
そんな研究が増えることを願いつつ…。

論文で使う資料をちょっと読み直してみた。
だからといって、論文が進むわけではない(爆



<参考文献>
性同一性障害と精神医学 針間克己(2008) 臨床心理学
新聞メディアにおける性同一性障害表象 加藤慶(2006) 横浜国立大学技術マネジメント研究


4 comments:

  1. カズキ said...:

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    自分は多分Xジェンダーかただのボーイッシュなんだけど、戸籍は変えたくないです。まるで自分が無くなるような気がして、どうしても必要でないなら戸籍はそのままで自分らしく生きたいと考えてます。最近知ったブログの管理人さんはFTXですが治療をしてFTMとして生きる決断をしてました。無理矢理型にハマろうとしたら男女どちらかしかなくて、男を選んだそうです。GIDとしての生き方って人それぞれなはずなのに、世間の考え方に流されて"仕方なく"な選択をしてる人が増えてる気がします。自分もその一人!?言葉や外見では伝わらないから形を変える手段をとってる気がしました(^^;

  1. Loki said...:

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    僕は,戸籍にはこだわりがありません.表面上浮き上がってこないし,役所で調べるまで,自分の本名がどうなっていたかも分からないくらいなので.(母親の離婚時に僕の名前がかえられていたこととこか)
    バイオの世界がもっと進歩して,DNAレベルでY染色体が作れるとなったら,(だってX染色体の変形なんだし)性別を変えることも考えるかもしれません.SRSをうけても細胞を取れば生物学的には女性とされてしまうし,つまり,セックスチェックで男と判定されるレベルにまで性別適合が進んだら全てを変えたくなるかも知れない.(これって理系的??)
    こう思った理由は,カムアウトしている学生が僕の学校にいるのですが,SRSは不明だけどホル注して外見的にはほとんど男性なのに疫学統計の講義では,戸籍上の性で学校に登録されていることから女性として分類を強要されたことです.
    その統計の先生の理解が足りないのかもしれないし,なぜそうなったかは分かりませんが・・・
    ぶっちゃけ,学部レベルの演習の講義では,技術を学ぶのだから,そこまで頑なに分ける必要を感じないからです.(それは研究者として講義担当者も知っているはず)
    現段階では,カムアウトもプライベートなところにしかしてないので,自分がどこまでで納得するのかという粋にとどまってます.それでも,本来,普通である女性的振る舞い(服装など)をしていると自分に嘘をついている気分になります.
    そんな矛盾に嫌気がさすこともありますが・・・
    いつになったら性別にこだわらず「この人はこういう人」という多様式な分類の考え方になるのでしょうね.

  1. のら said...:

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    ■カズキさん
    Xジェンダーだったり、男女という枠にはまりたくないと思っている人でも、「仕方なく」男女という型にはまらざるを得ない状況の人は多いのかもしれませんね。
    僕だってもしかしたら、社会に出るときは仕方なく男という選択をするかもしれません。
    それでも、大事なのは自分が選んだ「らしさ」の形なのだと、捻くれたりもするだろうけど。笑
    ��どうしても必要でないなら戸籍はそのままで自分らしく生きたい
    そうですね、僕も同じです。
    それがトランスジェンダーという自分らしい生き方の選択なのかもしれませんね。

  1. のら said...:

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    ■Lokiさん
    「DNAレベルでY染色体が作れるとなったら」とか、「セックスチェックで男と判定されるレベルにまで性別適合が進んだら」とか、さすがというか考えがすごいです!
    そうか…、バイオの世界がもっと進歩すれば、色んな可能性が生まれてくるわけですね。
    Lokiさんの大学のカムアウトしている学生さん、講義では戸籍上の性で分類されているんですか。
    その方にとっては本当に不本意というか憤りも感じるだろうし、辛いでしょうね。
    もっと柔軟な対応が求められても良いのではないかと、外部の僕は思ったりします。
    自分がどこまで納得するのかという事は重要ですよね。
    ��普通である女性的振る舞い(服装など)をしていると自分に嘘をついている気分になります
    そうですね。僕もよく経験します。
    全てを思い通りにすることはできないけど、何を通して何を譲るかある程度自分で決めていくことができれば、日常を少しでも快適に暮らせる状態に繋がるかもしれませんね。

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