さて。
こっちではマジメにレポしますかね。笑
それにしても何だか、ジェンダー&セクシュアリティ関連のことを書くのは久しぶりな気がします。
色々と思うことがあって、ちょっと遠のいてたのでね。
***
以下、軽いレポです。
①性同一性障害関連のワークショップ。
望む性を生きる当事者とその家族へのナラティヴアプローチ(対象者の経験・自分史から生成される物語・ストーリーを用いて援助・支援していく手法)によって、当事者と家族についての心理的・関係モデルの統合を図り、上位モデルを生成する(支援の手掛かりを得る)…という内容。
このモデル生成によって、次への予測や関係性の説明ができるようになるのではないか…と。
僕は、基礎・実験系心理学なので臨床心理学領域はさっぱりだったのですが、
事前にこの方の論文を読んでいたのでどうにかついていけた、という感じでした。爆
個人的に興味深かったのは、当初「自分はGID者である」として障害者・病気であるという部分を自身のアイデンティに強く持っていたその当事者が、自己物語を語る作業(ナラティヴアプローチ)を通して次第に「GID者(医療モデル)」から脱し、自分を病者であると意味づけることをしなくなった、ということ。
GID治療を早急に望んでいた当事者がGID治療から遠のき始めることを、一部では「やっぱり違ったのでは?」と誤認する人もいるけど、個人的には医療モデルに踊らされないでちゃんと自分を客観視できるようになった証の1つではないかと思う。
ワークショップの中でも少し話が出たけど、「性別を変更し、その性別らしく振舞って生きること」が社会適合だとする考えは、個人的に好きではない。
その社会適合の定義に当てはまれない当事者はどうなるのだろう?
何で医療を中心にして社会適合を考えるんだろう?
当事者の自己形成の支援は、医療モデルだけでは支援できない。
当事者とその家族・パートナーの関係性支援、周囲の環境調整など、大切なことはもっとあると思う。
そんなこんなで、色々と考える材料が多くて興味深いワークショップでした。
②心理学におけるジェンダー研究のワークショップ。
女性ばかりに視点を置くのではなく、男性に視点をおいてジェンダー問題を考える、というテーマでした。
根拠のない・自明でない「男性性、男らしさ」を求められる男性は、一方で自分の中の男性性に対して不安定さを感じており葛藤を抱えている、という話とか面白かったです。
それから、女性だけでなく男性もなる「男性アレルギー」の話し。
両親の不仲や、息子が父から「男らしくしなさい」と圧力をかけられること等により生じると考えられてるみたいです。
それで学校や病院で女性教員や女性医師を希望する、と。
個人的に一番良かった話題は、「セクシュアリティのジェンダー化」という内容で、今までの心理学のジェンダー研究は、セクシュアリティをちゃんと考えないできた、という指摘。
そうなんですよ。
心理学はセクシュアリティを研究する基盤がないんです…。
セクシュアリティを考慮しないでジェンダーを語るのは難しいと思うんですがね…。
それで、そもそも異性愛は正常とか、男性の性欲はコントロールできない(能動的・主体的な男性像)という考えは間違いだし、性別が2つしかないという考えが未だに定着している、ということに話題提供者の先生は疑問を投げかけておられました。
そして、「正常―異常」「男性―女性」といったカテゴライズに意味があるのか?
むしろカテゴライズすることによって枠にとらわれてしまうのではないか?という考えから、
発想の転換が必要なのではないかと仰ってました。
それから、女性のセクシュアリティについてもっと論じられるべきだ、と。
心理学でセクシュアリティについてここまで討議される先生を初めてみました。
ワークショップ見に行って良かったです。
***
いやー、両ワークショップとも楽しかったです。
心理学のジェンダー研究の著名な先生ともお話しできて嬉しかったですし。
よし、修論がんばろっ。
こっちではマジメにレポしますかね。笑
それにしても何だか、ジェンダー&セクシュアリティ関連のことを書くのは久しぶりな気がします。
色々と思うことがあって、ちょっと遠のいてたのでね。
***
以下、軽いレポです。
①性同一性障害関連のワークショップ。
望む性を生きる当事者とその家族へのナラティヴアプローチ(対象者の経験・自分史から生成される物語・ストーリーを用いて援助・支援していく手法)によって、当事者と家族についての心理的・関係モデルの統合を図り、上位モデルを生成する(支援の手掛かりを得る)…という内容。
このモデル生成によって、次への予測や関係性の説明ができるようになるのではないか…と。
僕は、基礎・実験系心理学なので臨床心理学領域はさっぱりだったのですが、
事前にこの方の論文を読んでいたのでどうにかついていけた、という感じでした。爆
個人的に興味深かったのは、当初「自分はGID者である」として障害者・病気であるという部分を自身のアイデンティに強く持っていたその当事者が、自己物語を語る作業(ナラティヴアプローチ)を通して次第に「GID者(医療モデル)」から脱し、自分を病者であると意味づけることをしなくなった、ということ。
GID治療を早急に望んでいた当事者がGID治療から遠のき始めることを、一部では「やっぱり違ったのでは?」と誤認する人もいるけど、個人的には医療モデルに踊らされないでちゃんと自分を客観視できるようになった証の1つではないかと思う。
ワークショップの中でも少し話が出たけど、「性別を変更し、その性別らしく振舞って生きること」が社会適合だとする考えは、個人的に好きではない。
その社会適合の定義に当てはまれない当事者はどうなるのだろう?
何で医療を中心にして社会適合を考えるんだろう?
当事者の自己形成の支援は、医療モデルだけでは支援できない。
当事者とその家族・パートナーの関係性支援、周囲の環境調整など、大切なことはもっとあると思う。
そんなこんなで、色々と考える材料が多くて興味深いワークショップでした。
②心理学におけるジェンダー研究のワークショップ。
女性ばかりに視点を置くのではなく、男性に視点をおいてジェンダー問題を考える、というテーマでした。
根拠のない・自明でない「男性性、男らしさ」を求められる男性は、一方で自分の中の男性性に対して不安定さを感じており葛藤を抱えている、という話とか面白かったです。
それから、女性だけでなく男性もなる「男性アレルギー」の話し。
両親の不仲や、息子が父から「男らしくしなさい」と圧力をかけられること等により生じると考えられてるみたいです。
それで学校や病院で女性教員や女性医師を希望する、と。
個人的に一番良かった話題は、「セクシュアリティのジェンダー化」という内容で、今までの心理学のジェンダー研究は、セクシュアリティをちゃんと考えないできた、という指摘。
そうなんですよ。
心理学はセクシュアリティを研究する基盤がないんです…。
セクシュアリティを考慮しないでジェンダーを語るのは難しいと思うんですがね…。
それで、そもそも異性愛は正常とか、男性の性欲はコントロールできない(能動的・主体的な男性像)という考えは間違いだし、性別が2つしかないという考えが未だに定着している、ということに話題提供者の先生は疑問を投げかけておられました。
そして、「正常―異常」「男性―女性」といったカテゴライズに意味があるのか?
むしろカテゴライズすることによって枠にとらわれてしまうのではないか?という考えから、
発想の転換が必要なのではないかと仰ってました。
それから、女性のセクシュアリティについてもっと論じられるべきだ、と。
心理学でセクシュアリティについてここまで討議される先生を初めてみました。
ワークショップ見に行って良かったです。
***
いやー、両ワークショップとも楽しかったです。
心理学のジェンダー研究の著名な先生ともお話しできて嬉しかったですし。
よし、修論がんばろっ。
Saturday, August 29, 2009
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Backnumber Jugem,
Diary 2009
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僕は専門が情報工学なので,心理の話は興味本位で聞いてる感じですが・・・
知り合い(とある専門がちゃんぽんになってる研究会)にも心理学者はいますが,
その人のテーマはどちらかというと社会学にからんでいるので,
あんまり純粋な心理学って触れ合う機会が少ないのです・・・
②のほうに興味があります.
工学の世界だと,2次元や3次元で表せないものがたくさんある(らしい)のです,例えば色彩工学なんかだと,色は色味だけでなく,明るさと暗さ,鮮やかさ,可視性なんかを考慮に入れると,3次元になるんだけどジェンダーやセクシュアリティの問題もそっちの考えのほうが当てはまるんじゃないかなぁと.
今回のレポートを読んで,思ったのは,x軸にジェンダーの男性女性,y軸にセクシュアリティの男性女性をとって,座標で表すと,面白いかなと思いました.そうすると,ジェンダーが男性,セクシュアリティは女性みたいな表現ができるし,男性寄りの女性とかも表現できるしね.(但し,「男性度」「女性度」の数値化が難しいけど)
他の要素も加えて3次元にできるともっと深みがでるかもしれません.