そんな出し物イヤ

先日、高校の教員をしている知人に話を聞き、びっくらこいた。

それは、その高校で行われる文化祭について。
あるクラスの出し物が、問題になったという。


以下、不快に思う方もいらっしゃると思うのでOKな方はドウゾ。





そのクラスの出し物の名前は、「カマーランド」というもので、
男子生徒が女性の格好を、女子生徒が男性の格好をして客を出向える手作りゲームセンターという趣旨。

手作りゲームセンターと異性の格好をするという繋がりが全く分からないが、実行委員会の審査は通ったという。

問題になったのは、そのゲーム。

手作りゲームセンターということで、いくつかあるゲームの中に、「オカマ叩き」と称して女性の格好をした男子生徒をたたくゲーム(モグラ叩き形式)があったという。

…なぜ初期にストップがかからなかったのか不思議で仕方ない。
この企画に許可を出した担任の先生や実行委員会の先生の倫理観を疑う。

そのクラスにセクマイの子がいたとしたら、どんな気持ちになるか…。
そのクラスだけじゃなくて、その高校にいるセクマイの子、文化祭を訪れる人の中にいるかもしれないセクマイの人、…楽しい気分でいられるわけがない。


結局、人権教育を専門にしてるこの知人がギリギリでストップをかけたことで、この企画はなくなったそうだが、クラスの生徒は不満をもらし、説明してもナゼ企画が却下されたのか理解していないという。
(夏休み中、ずっと準備をしてきた生徒たちが可哀想だという論議もあったそうだ…)

知人によると、クラスの生徒たちはオカマが差別用語だということも知らないし、オカマ=異性装をする人だと思い込んでいるという。

加えて、企画当初は男性の格好をする役の女子生徒は決まっていたが、
女性の格好をする役の男子生徒が一向に決まらず、
推薦という形でその役の男子生徒を決めようとしていたことから、
いじめに繋がる可能性が指摘された。


なんというか…、
教育現場での人権問題に関する意識の低さに驚いた。
生徒が「オカマ」とからかわれてても、それを教員は何の疑念もなく見ているのだろうか…。
(もちろん全ての教師がそうではない)

色んな人権教育を学校でやってるけど、セクシュアル・マイノリティに関する人権教育ってほとんどナイ。
(性教育だってやるのが難しい今日)

だから、マス・メディアで間違った情報を得ても、それを修正する機会がほぼないんだよね…。

でも、このクラスの生徒たちみたいに間違った情報を当り前のように持ったまま生活するのは、色んな意味で危ないと思う。

やっぱり、セクシュアル・マイノリティに関する何かしらの教育って必要なんじゃないかな・・・。



9 comments:

  1. レイジ said...:

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    不謹慎だし生徒も生徒だね。低能…。
    私が中学のとき男の先生がなんかのとき(忘れたけど)、セーラームーンの恰好をしたことがあった。その時は何も思わなかったが、今ならかなりキレてるな私。
    いつまでたっても教育もだけど変わらないね。勉強だけしてろよ、もう。

  1. ろん said...:

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    初めまして。なんかいたたまれなくなったんでコメさせてください。
    悪意がなくても実際にそんな光景見たら、きっと心臓が縮こまるなぁ。しっかりストップかけて下さった知人の方に感謝です。
    今日もTVで、「ある優秀な男性がいるが、その人の弱点(玉にキズのニュアンス)は恋人が男性であること」という新聞か何かの4コマ漫画を取り上げて茶化してました。出演者は誰も何も指摘せず笑ってスルー。
    ふーん、弱点なんだ…あんたらにはそう見えんのねって感じ。
    その4コマを描いた人が一番問題だけど、それを何も考えず茶の間に流すメディアの神経も21世紀の先進国とは思えないプロ意識の低さ。不勉強で、行動や発言の意図・効果に鈍感なんですよね。教育もメディアも。悪意が無くても無知は罪だと思う。
    その子供たちの件は、将来にその子たちの人権や差別への意識が成長して、せめて「あの時、止めてくれてよかった」って思ってくれることを願いたいですね。
    ところで文化祭とかで男子に女装させて悪ふざけってのは女子が煽動するケースが多い気がする…。その割にセクマイには無理解というか。男子は自分から女装とか提案しないと思うし。

  1. ほほほ said...:

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    >ところで文化祭とかで男子に女装させて悪ふざけってのは女子が煽動するケースが多い気がする…。
    横スレスマソ。
    ��気がする…」だけで言うのも特定のカテゴリーに対する偏見を助長させることになりますけど。
    ついでに、敵の「親玉」を適当に見つけてそいつの所為にしておけば、
    差別が「自分」にはないと云う事にしておきたい心性を「セコイ」と言いませんか?

  1. ろん said...:

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    ほほほさんへ
    過剰反応ですよ。「気がする」を論拠にして特定の存在を叩く主張を強行したら私だって問題だと思う。けれど全ての「気がする」発言を狩り取れば、たとえば傾向性を注視したりもできなくなるだろう。
    ��敵の「親玉」を適当に見つけてそいつの所為にしておけば、
    仮に女子が率先して女装を提案したケースがあったとしても、私は彼女たちを“敵の親玉”だとは思ってないし、そのようにも書いていません。勝手にそう解釈されても不快です。
    女装や男装だって、実際には誰にも嫌な思いをさせず楽しく成功した出し物だってあるだろうし。
    「ところで」と書いてあるように最期の2行は話題を変えているつもりだったのですが、男性と女性で異性装に対する温度差がある、ということです。女の子はボーイッシュもあって許容されるけど、男の子はいじめやからかいに繋がることもあるっていうね。その点は補足しておきます。
    ��差別が「自分」にはないと云う事にしておきたい心性を「セコイ」と言いませんか?
    なんか喧嘩腰ですね…。そういうあなたは言葉を狩って人を「セコイ」呼ばわりする心性です。
    私が自己保身で発言していると感じてのことなら上記のように誤解が元になっています。
    女装提案者がセクマイへの無理解を煽動しているとは言ってませんし、子供でも大人でもセクマイへの無知や無理解は、公共教育がノータッチで自主性に任せている点に一因があるとは考えています。
    あと、なんらかの属性を嫌いになるのなら、人は誰しも差別心があるでしょう。私も例外ではない。

  1. ほほほ said...:

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    ろん さん>ああ、なるほど。。解りました。あなたのことは存じ上げませんので、
    それ以上なにも追及する気はありませんです。確かに早合点かも知れませんが、
    私は編集者ではありませんので、読者の目線で、書かれた文章は書かれたままで受け止めます。
    気がする…。の後に補足をつけていただいてやっと解りました。
    そこで完結されていたらどうしようと思っていたところです。
    どうもありがとうございました。
    ところで…そういうあなたは○○だ。
    と、返す論法を「お前だって論法」といいます。
    あまり好ましいやり方ではないと思いますよ、ではお邪魔しました。

  1. ろん said...:

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    ほほほさん>
    「お前だって論法」は知っていますよ。ただ必ずしも全て悪いとは思ってません。
    痛いとこつく場合だって皆無じゃないでしょ。まあその辺は見解の相違でしょうか…。
    ��あなた自身には差別がないといえるのか?)って訴えるのも表現が定型じゃないだけの亜流だよ。
    個人的にですが、男女別の異性装への心理や抵抗、学校行事で女装男装は多いのか、思春期の子供がしたがるのは何か理由があるのか、他の国ではどうなのか、文化的宗教的要素が影響あるのか…など気になります。
    マジョリティとマイノリティで行事への「ノリ」にも差があるのか、とか。
    セクマイ当事者が傷つくバッドケースもあれば、逆に「気づき」に至った好例もあるのかな。
    学術的な正確な調査は出来る立場にないし、些細なことかもしれないけど。対処に役立ったりしないかなぁ…。

  1. said...:

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    びっくり。今でも教育現場での人権問題に関する意識の低さってのはこれほどのものなのね。僕が学生だった当事よりも全然整備が進んでいるのかなーとなんとなく思っていました。そうでもないのね。
    教員に対する指導や意識改革、教育体制の整備等はまだまだこれからの課題なんでしょうね。よくわからないけど。
    > 夏休み中、ずっと準備をしてきた生徒たちが可哀想だという論議もあったそうだ
    もし教員の間でこういう議論があったのであれば、それは残念というか悲しいというか、ガックリしてしまうなァ。
    このクラスや学校にセクマイの子がいたとしたら‥察するに余りあります。

  1. Loki said...:

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    一応,教育現場の人間ですが・・・(高校ではないけど)
    たしかに,いろいろな人がいる場として,教員としては慎重に対処すべき問題かなと思います.
    そもそもネーミングが・・・
    TVで「ゲイドル」とか「オカマバー」という言葉が使われていることから,本来は対象者自身がシニカルな意味で使っているのに,一般的なものという解釈がなされているのかなと思いました.
    見た目が中性的な人ほど,本人の意思に関係なく,異性装を強要に近い形で,学園祭などでされているケースもあるかと思います.(もちろん本人がいいなら,それはそれでいいと思いますが)
    僕も中学生くらいのとき,学ラン着せられましたねぇ(イヤじゃなかったからいいけど)
    僕の場合,大学ですが,医療系の学校ということで「性教育」の話がでることがあります.
    その先生がセクシャルマイノリティに対して,「そういう障害の人がいます」っていう言い方が
    いつもイヤだなぁと思います.
    大学生だってどうとらえるかわからないというのに,中学生や高校生などまだ成長過程にある人に
    対しては,教育者としては,より慎重に発言すべき問題だと思いました.

  1. めぐむ said...:

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    ◆レイジさん
    ◆ろんさん
    ◆ほほほさん
    ◆雨さん
    ◆Lokiさん
    コメントありがとうございます。
    教育現場でのセクマイの子どもたちへの配慮のなさというのは本当に悲しいですね。
    この問題があって、この学校ではセクシュアル・マイノリティへの人権教育が検討されることとなったそうです。
    ぜひ実現に至ってほしい限りです。

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