小倉千加子さん著の「セクシュアリティの心理学」の中で、性同一性障害(以下、GID)について書かれてある部分があります。
小倉さんは、「GIDの原因を完全に生物学的要因に起因することに疑問がある」と述べてます。
つまり小倉さんは、心理・社会的要因によるものの影響の大きさを指摘してます。
あくまで、心理学的視点ですが。
これは結構重要な指摘だなーと、僕は思ったわけです。
その証拠として、GIDのガイドラインに完全に当てはまる人が少ないですよね。
だから、その他多くが「トランスジェンダー」とか「Xジェンダー」という非公式の名を使うわけです。
もう、医学的基準だけでは判断が追い付かない(不十分)事実があると思います。
そして、かつて同性愛を仮性(一時的)と真性に分けたのを批判されたように、
性同一性障害も同じように仮性と真性で分けようとするのは、果たして適切なのでしょうか…。
ジェンダー規範が強い文化の中で育ったのだから、GIDが生物学的要因により生起されたものだとは言いきれない…そんな小倉さんの主張をしみじみ感じます。
でも、原因がどうこうって因果関係にしがみつくより、性別違和感を抱えたことと真剣に向き合い、情報に惑わされず、「これからをどう生きるか」を考える方が大事だよね。
遠回りしたって、周りよりアイデンティティ確立が遅くたって、自分を見失わずに、ときには目を瞑って、一歩ずつ生きていければ何よりだよなぁ…。
Wednesday, July 18, 2007
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