懐かしんで振り返る

今、修士論文の関係でトランスジェンダー当事者の方へのインタビュー調査をしているんですが、

実際に1人1人話を聞いていくと、本当に様々な在り方があるんだなぁと実感する日々です。

そしてやっぱり僕も当事者として勉強になりますし、考えさせられることも多々あります。

最近は、「そういえば自分はどうしてXっていうモノにたどり着いたんだっけ?」ということを振り返ったりします。

僕の性自認は当初から男性でした。

けれど、最初はどうしても自分をFTMと表現することに疑念を感じていました。

なぜなら、マス・メディアなどで語られるFTMイメージや像が、いまいち自分とは合わなかったんです。

ジェンクリでこれまでの生活史などを話すと、先生は僕に典型的なタイプだと言いますが、
僕にはどうしても自分がFTMだとは思えなかったんですね。

それは、(ステレオタイプ的な)FTMらしさ・イメージ、ジェンダーに対する考え方が、多くのFTMが持つモノとは合致する部分が少なかったからなんだと思います。

その”らしさ”が良いか悪いかじゃなくて、たまたま僕の(特に)ジェンダーに対する考えに合わなかったという。

つまり性自認ではなく、生き方やジェンダーに対する考えが「自分はFTMなのか?」という疑念に影響を与えてたんだと思います。

「性自認が男性でFTMというカテゴリーに入る自分は、男性性に沿った生き方をしなければならないのか?」と、まだ知識に乏しかった僕はひどく悩みました。

男性だとずっと認識していた性自認さえ揺らいだほどです。

そこで偶然知ったのが、X-genderという在り方でした。

中性・無性・両性などなど、そういう性自認や在り方を知り、自分のジェンダー観や生き方に関する視野が広がりました。

そうして、自分はFTXなのかとも思いました。
でも、やはり自分の性自認は男性だという気持ちが強くありました。

ちなみにブログを始めたのは自分をFTXだと考えてた時期なので、今だにブログのサブタイトルがFTXのままです。←いい加減

FTMなのか?FTXなのか?と悩み倒した時期が結構長く続きましたが、現在はFTMTXというスタイルにおさまっています。

勝手な個人的解釈としては、FTMが性自認で(T)Xが生き方・ジェンダーだと考えてこういう表記を使ってるわけですが。

それに、「自分の生を全うして人間らしく生きればいいじゃん」と思えるきっかけになったのも、Xという在り方を知ったからです。

今では、性自認と生き方やジェンダーを分けて考えられるようになり、ずいぶん肩の力を抜いて生活できるようになりました。

今すぐに自分のジェンダー・アイデンティティを決めなきゃならないなんてことはナイんですよね。

ゆっくり時間をかけて、あーでもないこーでもないって考えながら、自分がしっくりくる在り方を探していけばいいんだと、改めて感じます。

そんなことを思い出しながら、モソモソとパソコンに向かってます。




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